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寒中お見舞い申し上げます [作品]



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町静展 出品作品6  [作品]

今回の個展は広い会場を一人で有効に使えたのですが、一か所窓になっていて、そこに展示することは出来ないため、大きな三段棚を使用し、そこにフォトスタンドに入れた絵を展示しました。大小二種類の作品を会期の始まる直前に十数点描きました。すべてフォトスタンドのサイズに合わせて描きましたが、これらも本来なら額装したほうが良い作品たちです。しかし、そのコンパクトさからか、フォトスタンドのままお持ち帰りされるお客様が多かったです。
というのも、絵画展ですと作品は通常会期終了後に購入者へ発送されますが、これらは敢えて会期中に即売という形にしたからです。以下作品ですが、あまりに短期間での制作・展示であったため、撮影する前に売れてしまったものはご紹介できません。


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これらは目録の番外にあり、今回はタイトルをつけていません。つければつけられますが、単純に同展の都合で無題にて展示即売したものです。これらは私のオートマティズム的素質が出ているもので、何も考えずに自動的に描かれたものです。絵画は多かれ少なかれそういう要素を含みますが、これらは典型的であると言えましょう。また、その自動的に描かれるというプロセスに感銘を受けられてご購入された方もおられました。私にしてみるとこういうものは十代のころからもともとあった能力なので、もっとも楽に制作できるのですが、「なぜこれが自動的にできるのか?」というところに不思議な感じを持たれる方も多いようです。


以上が、今回の個展で作品として展示されたものです。
そのほか、これらのラインナップをマグカップ、エコバッグ、ポストカードにしたグッズがありました。これらも撮影が難しいのでアップしません。マグなど私もまだ使っていませんが、さっそく使っているという連絡を、その写真入りで送ってくれた方がおり、気に入ってくださっているようでなによりです。


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町静展 出品作品5 [作品]

今日はタブローの続きとその他を紹介してゆきます。


目録No.6 発砲 2013年 アクリル、キャンバス 530×455mm
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発砲したい衝動、別に誰かを狙撃するわけではなく、ただドカンと一発打ち放したい欲求というのは多くの人の中にあるのではないでしょうか。作中の人は手が大砲、または銃になっています。尻尾もあり、地球の人間ではないようです。架空の世界だからこそ街中での発砲も派手に出来ます。私はこうやってストレスを解消しているのかもしれません。


目録No.8 宇宙の子牛 2013年 アクリル・砂、キャンバス 530×455mm
宇宙の子牛 縮小版.JPG
宇宙の、という割には雲が浮いていて適当ですが、あくまでもイメージです。この作品の子牛の部分に採用したおつゆ描きが役立って、「発砲」や以下に紹介する「立てる男」などが生まれました。おつゆ描きとはその名の通り、絵具をたくさんの水で溶くことによって、滲みや微妙な濃淡を生もうとする技法です。奈良美智さんの作品などは一見簡単に塗っているようにも見えますが、実際は一度塗った色の上に、水をたくさん使って薄めた絵具をかぶせて色を調整しています。


目録No.8 木の猫 2011年 455×530mm アクリル・石膏、キャンバス
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第29回ザ・チョイス年度賞入賞作。大橋歩さんがこれを選んで下さったおかげで、現在の交友関係があると言えます。近年のタブローの全てがここから始まっており、キャンバスに描いて仕上げたのも初めての作品だったのにも関わらず、このたった一枚が私の生活環境を変えました。当時私は黒い猫が宇宙からやって来て、一人の画家の運命を変えてしまうという内容の変な小説をブログに連載していました(いまも消していません)が、書いているうちに現実が小説の通りになり、戸惑って現在は未完のままストップしています。「人はその人の考えていることの結果である」ということを身をもって体験しました。とにかくこの絵は作者にとっても実に不思議な作品なのです。現在は所有者がいて、今回は非売品として出品しています。


目録No.9 エウロパ、私はまだここにいるのだ 2013年 アクリル・石膏・砂、キャンバス727×606mm
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木星の衛星、エウロパには生命がある可能性が高いと言われてきました。映画「2010年」でも、モノリスからのメッセージに「宇宙を自由に開拓して良いが、エウロパは除く、エウロパに着陸を試みてはならない」とあります。私は常々、自分はなぜ地球にいるのかとても疑問だったので、地球外というところにとても関心があります。描くという孤独な作業の中では、ときどき「こんな変わった絵を描くのは、自分が地球外から来たからにちがいない」という感覚に陥ります。そういうとき、エウロパにいる存在の声が聞こえるような気がするのです。


目録No.10 立てる男 2013年 アクリル・石膏・砂、キャンバス 910×727mm
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ボクシングは子供の時から好きで、よく具志堅用高の防衛戦などを見ていました。この絵も最初はボクサーを描くつもりではなかったのですが、構図上の面白さから手にグローブをはめてみました。するとボクサーがよろよろと立ちあがったような感じになったので、「立てる男」としたのです。あまり強そうではないことも気に入っています。また、大きさもかなりあるため、今回の展示の中心的存在となりました。見る人が見れば面白い絵、自分の中に「絵とは、芸術とはこういうもの」という観念が出来上がってしまっている人には単に変な絵、ということになりましょう。絵の成り立ち、私という人間を含めて、吟味して頂ければ、この絵の面白さも伝わると思いますが、とかく世の中ゆっくりと絵を鑑賞するだけの素質を持った人、あるいは心のゆとりのある人は少なくなりました。「生きること=あくせく働くこと」という公式が日本の99パーセントの人々の中にあるようです。搾取の歴史の中にあり、さらに敗戦を経験したために完全に価値観が物質至上主義に固まってしまいました。しかし、現在社会に適合できないような若い人たちのなかに、逆に私は可能性を見ています。彼らはこの世界がおかしい、変だということをはじめから見破っているのです。この世界を支配している層には、この世界は都合よく出来ていますが、彼らが何をしようと逆に世界を混乱させるだけでしょう。しかしいわゆる不適合者が現実を直視した上で、打ちのめされた上でなお、彼らとしてあり続けるときには、世界は変わると私は見ています。


目録No.11 横向きの猫 2013年 アクリル、キャンバス 180×140mm
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小品ですがやたらと時間をかけています。描いている中でこれは何なのかということを考えます。それが猫に見えれば猫ということにします。私はシュールレアリスムで言えば、オートマティズムという、自動的に描くという方法から始めていますから、出だしは何を描くか決めていないことがほとんどです。最近では構図が決まればそれに沿って仕上げていくことが多くなりましたが、今後また仕上がりの予測不可能な制作方法に移って行くかもしれません。


目録No.12 ブラインドの向こうの男 2013年 アクリル、キャンバス 350×270mm
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構造的興味から制作したものですが、仕上がってみるとブラインドの向こうに見える人の姿に見えてきたので、このタイトルをつけました。一見デジタルな感じに見えると、人から言われましたが、筆で時間をかけて塗り込んでいます。こういうのは古くはモンドリアン、ライリーだとか、オノサト・トシノブなどがあげられると思いますが、もちろんどれも私の主題ではなく、あくまでも実験であり通過点です。しかし作品としてはボックス額に入れたところ、飾って頂いて美しく、楽しめるものになっていると思います。大きさも比較的コンパクトで飾りやすいと思います。


目録No.13 無題 2007年 アクリル・コラージュ、ダンボール 178×320mm
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版画をやっていたころから比べると、ここが変化点になっていると言えます。鮮やかな色彩、複雑な描き込み、そのプロトタイプとして、ダンボールに着彩したものですが、愛着があったので特注額に入れてあります。


目録No.14 君は蝶をつかまえた 2008年 アクリル・写真・コラージュ、紙 
※小品ですが額一体型作品で撮影が難しい上、個人様の所蔵品ですので、もう私の手元になく、今回はアップしません。


目録No.15 秋の庭 2007年 アクリル・コラージュ、紙 530×645mm
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No.13の「無題」という作品の延長にありますが、大きさが大きいです。完全な抽象に近いと思いますが、雰囲気として秋の庭を思わせるので、このタイトルです。こういった作品が、タブローの「立てる男」他の作品の中で行ったことと相まって、今後新しい作品となって現われて来ると思っています。多くの人は前はこういう絵を描いていたのに、どうして今はこういう絵なのですか?というようなことを聞いてきたりします。画家は一つのスタイルを描くものだと思っているようですが、私には変化する必要、経験する必要があるのです。


目録No.16 月のみやげ 2007年 アクリル・モルタル・コラージュ、板
※こちらは手元にありますが、額一体型作品で、撮影がうまく出来ません。月で拾って来たかのような岩石的な作品を標本箱に入れたような作品で、結構面白いものですが、アップはしません。


目録No.17 Hand 1986年 リノカット
※現存する最古の私の作品であり、高校生のころのもの。今回特殊なスペースが空いたので、展示しましたが、撮影する気もなくアップもしません。

目録No.18 陰陽 1987年 アクリル他、ダンボール
※これも最古の作品のひとつですが、上記と同じくアップはしません。


以上が目録のラインナップでした。次回は、番外ではありますが、今回の展示のために描きおろしたフォトスタンドアートというのがありましたので、そちらを紹介してみたいと思います。

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町静展 出品作品4 [作品]

さて、今日はタブローをご紹介してゆきたいと思います。


目録No.1 雪の日 2012年 アクリル、キャンバス 180×140mm
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0号の小品ですが、時間がかかっています。黒をベースに構成しています。横顔を描いたものですが、バックの林の向こうに雪山が見えるのでこのタイトルを付けました。アクリルのみで描いていますが、実物はかなり重厚な印象を与えます。あまり見かけない効果が出ているようで、他の作家さんからも「どうやって描いたの?」と聞かれますが、特別な技法ではありません。ただ筆遣いは筆を転がすようなタッチを使っています。


目録No.2 田の鳥 2012年 アクリル・砂、キャンバス 410×318mm 
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以前このブログでも紹介したことがあります。絵具の引っかかりをよくするために砂を使用しています。一種の盛上げ剤のようなものも使用し、バランスをとっています。白がバックにあるので明るく、色遣いが子供っぽくなっていますが、これが好きなお客様は多かったです。わかりやすさもあるでしょう。


目録No.3 林の中の象 2012年 アクリル・砂、キャンバス 380×455mm
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これも以前紹介したので覚えている方もいらっしゃるでしょう。技法というよりも色の配置、モチーフの扱い方が特殊な作品です。一見したところ何が描いてあるかわからない感じ、というのも狙いでした。何にせよ、ありがちな「まんま」の表現は陳腐ということになってしまいます。そういうほうが一般には好まれるのですが、私の道ではありません。


目録No.4 象 2012年 アクリル・砂、キャンバス 530×455mm
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これも「林の中の象」と同じく、一見何が描いてあるかわからないように描いてあります。構図もわざと尻尾と鼻を切っています。あまり黒を使用しないで描いたところが、この作品の取り組みの主要な点でもありました。よりモチーフが見出しにくい代わりにタイトルは敢えてそのものズバリ、「象」としました。



目録No.5 紅い実 2012年 アクリル、キャンバス 318×410mm
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アクリルだけで描いたフラットな作品です。私にしては珍しく、オオハシという実在の鳥を描きました。動物園などで見て好きな鳥だったからです。実際はこんな紅い実を食べるか知りません。背景は完全に空想です。この作品は技法的な関心から制作したもので、作風はむしろ平凡になってしまっているかもしれません。あくまでも自己批判ですが。


以上は私が幹事を務めて、菊池日出夫さんや石川えりこさんと一緒に、ザ・チョイスの受賞メンバーで行ったパシフィコ横浜での2012年のグループ展、「風山村2012」にも出品した作品で、このほかに受賞作「木の猫」がありました。

次回タブローの続きをアップしてゆきます。



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町静展 出品作品3 [作品]

今日は個展出品作品の中から、旧作版画小品の3回目です。


目録No.27 現実の形姿 1997年 多色刷り木版 105×123mm
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主版に黒を使用した、多くの方には版画としてなじみのあるスタイルです。私は陰刻(彫った部分が黒い線となって現れる手法)といって、小野忠重氏がやっていたような版画から入っているので、こういう陽刻作品はあまり制作していないのです。「現実の形姿」とは、仕上がりが現実離れしたポーズになっているので、逆に目に見えない本来の「現実」の人の形とはこうなんだよ、という意味で敢えてつけたタイトルです。個展にいらした菊池日出夫さんが「なんかいいね、これ」となぜか気に入っておられました。残20点です。


目録No.28 猫 1997年 多色刷り木版 85×90mm
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これも数少ない陽刻作品のひとつです。「現実の形姿」より前だったのかと思いますが、記憶が曖昧です。残30点です。


目録No.29 連結貨車 1993年 モノタイプ 130×242mm
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極めて横長の版画作品。古い時代のものです。東京に住んでいたころ、刷ろうと思ったら紙が足りなくなって、二枚の黒いラシャをつなぎ合わせて刷ったものです。後から筆で加筆して仕上げています。あのころはあからさまに社会からはみ出していました。やがてさまざまな職種を経験しながらうまく折り合いをつけられるようになったつもりが、長い時間をかけて自分の特異性をこれでもかと思い知らされただけでした。そして結局今も描くしかないのです。


目録No.30 卓上の静物 1999年 多色刷り木版 89×87mm
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よくある静物画のようですが、瓶が浮き上がっています。見たままには決して描かないのだけはそもそものはじめから一貫した私の特徴です。残5点となりました。


次回より近作のタブローをご紹介してゆきます。



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町静展 出品作品2 [作品]

先日まで開催していた私の個展から、今日は旧作版画小品の2回目です。


目録No.23 秋の道 1999年 140×118mm 多色刷り木版
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猫を擬人化した作品で、版画イラストなどを考えていたころのものです。作風はかなり単純なのですが、そのわかりやすさからか、人気が高い作品です。残3点。


目録No.24 頬杖つく女 2000年 88×90mm 多色刷り木版
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題材が女性というのは私の作品ではあまりありません。さらに美人に描くということにも興味がなく、単に一枚の絵として成立すればよいという感覚で制作しています。版画作品中でも珍しくピンク色で人物をオーラのように象ったところがこの作品の特徴でしょうか。こちらも残3点です。


目録No.25 夜の家 1997年 50×70mm 多色刷り木版
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極小の版画作品です。夜のひっそりとした雰囲気の中に建つ白壁の家を描いたもので、残18点あります。


目録No.26 夕暮れの人たち 1997年 87×87mm 多色刷り木版
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一枚の版を彫りながら刷ってゆくという、リダクション法を採用した最初期の作品だと思います。20代前半だったころ、版画をはじめたての私の作品をかなり高額で購入してくれた方へ、久しぶりにお会いした記念に差し上げたことのある小品です。今版画を制作するならこの流れかな?と思えるくらい、作品としての可能性を秘めていると私は思っていますが、抽象的になればなるほど一般的なお客様の引き合いは弱くなるのは、昔からやむを得ないのでしょうか。残5点です。


次回、残りの版画作品を紹介します。そのあとタブローの近作を紹介してゆくつもりです。
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町静展 出品作品 [作品]

12月2日をもちまして、私の個展が終了しました。
ご来場の皆様、作品などお買い上げの皆様、ありがとうございました。

会期終了につき、これから手元に写真のある作品についてはアップしてゆこうと思っています。

まず、2000年前後またはそれ以前に私が取り組んでいた版画作品をご紹介します。
現在のものとはだいぶ異なりますが、今回会場が特殊で、和室の壁などのほか床の間などをも利用するにあたり、さまざまな種類・年代の作品に分けての展示を試みました。そして床の間は版画作品、それも特に小さい版画作品のみの間としました。以下作品です。


目録 No.19 北風の家路 2001年、多色刷り木版 115×200mm

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刷りながら一枚の版で彫り進んでゆく、リダクション法を取り入れたころの作品だったと思います。晴れていながらも寒い日、マフラーを風になびかせて、「早く家であったまりたいな」などと思いながら坂道を登ってゆく人の情景を描いたものです。私の版画の中でも人気が高く、あと2点しか残っていません。


目録 No.20 帰り途 2000年、多色刷り木版 150×200mm

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こちらも家に帰るというシチュエーションを描いたものですが、主人公は自転車に乗っています。バックは夕焼けで、この人は仕事帰りなんだろうか?町工場かどこかで働いてきたのかな?帰ったらあったかいシチューとか食べるのかな?といった物語を連想する方が多いようです。今回お買い上げいただいた方もそのような物語を思うと言っておられました。こちらも所有されている方がすでにいらっしゃったり、あと4点を残すのみとなりました。


目録のNo.21に、「走る子供」というモノタイプ作品がありましたが、撮影するのを忘れていたようで、現在のところ画像がありません。


目録No.22 雪の街 2001年、多色刷り木版 120×110mm

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このころは、寒い情景をよく描いていたようです。とくに白い息を描きたくてこれを制作したのを覚えています。あとは雪の点々とちりばめられた白ですかね。以前、雪深い街、札幌に住む友人にもこれを贈りました。残り3点です。



解説を書きながらだと長くなるので、続きはまたにします。




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